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04.2026.09デスクワーカーに肩こりが慢性化しやすい理由は、長時間のパソコン作業による僧帽筋の持続的緊張と血行不良にあります。30〜50代の情報機器作業者を中心に、厚生労働省調査では74.8%が首・肩のこりを訴えています。薬剤師の視点から原因メカニズムと外用ケアの選択肢を解説します。
外用薬に関する重要な事実
【事実】メントールはTRPM8受容体を活性化し、皮膚血流量を増加させることで局所の血行を促進する(PMC, 2022)。
【事実】カンフルはTRPV1チャネルを活性化した後に急速な脱感作を引き起こし、局所的な鎮痛作用を発揮する(PMC, 2019)。
【事実】ベルベリンはNF-kBシグナル伝達経路を介して筋骨格系の炎症反応を抑制する作用が報告されている(PubMed, 2019)。
【事実】エモジンはCOX-2およびiNOSの発現を抑制し、PPARy経路を通じて抗炎症作用を示す(PubMed, 2016)。
【事実】厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査において、肩こりは男女とも自覚症状の上位に位置し、特に女性の有訴者率が高い(厚生労働省, 2022)。
なぜデスクワーカーに肩こりが多いのか
厚生労働省が2008年に実施したVDT作業に関する調査では、情報機器作業者の74.8%が首・肩のこりや痛みを自覚しており、これは目の疲れに次いで2番目に多い症状です(厚生労働省, 2008)。デスクワーカーは1日の大半を同じ姿勢で過ごすため、僧帽筋や肩甲挙筋に持続的な負荷がかかります。
パソコン画面を見続ける前傾姿勢では、頭部の重さ(約4〜6kg)を首と肩の筋肉だけで支え続けることになります。この状態が毎日数時間続くと、筋肉内の血流が低下し、疲労物質が蓄積して慢性的なこりへと移行します。厚生労働省は「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で、1時間ごとに10〜15分の休憩を取ることを推奨しています(厚生労働省, 2019)。
肩こりの背景にある筋骨格系メカニズム
僧帽筋の持続的収縮は筋内圧を上昇させ、毛細血管を圧迫して酸素供給を低下させます。酸素不足の状態で筋肉が活動を続けると、乳酸やブラジキニンなどの発痛物質が産生され、痛みの信号が末梢神経を通じて脳に伝達されます。
さらに、痛みは交感神経を刺激して血管を収縮させるため、血行不良が悪化するという悪循環が生じます。令和4年の国民生活基礎調査では、肩こりは腰痛とともに日本人の自覚症状の上位を占めており、特に30〜50代の働き盛り世代で有訴者率が高いことが報告されています(厚生労働省, 2022)。
薬剤師の視点
漢方外用薬に含まれる成分の薬理作用は、複数の経路から肩こりの悪循環にアプローチします。第一層として、黄柏や黄連に含まれるベルベリンはNF-kBシグナル伝達経路を抑制し、筋組織における炎症性サイトカイン(TNF-a、IL-6)の産生を低減させることが報告されています(PubMed, 2019)。同様に、大黄由来のエモジンはCOX-2の発現を抑制し、PPARy経路の活性化を通じて抗炎症作用を発揮します(PubMed, 2016)。
第二層として、メントールはTRPM8受容体を活性化して冷涼感を生み出すと同時に、皮膚の血流量を増加させます(PMC, 2022)。カンフルはTRPV1チャネルを活性化した後に急速な脱感作を起こし、痛みの伝達を一時的に遮断します(PMC, 2019)。
第三層として、これらの成分が同一製剤中に配合されることで、抗炎症作用(ベルベリン・エモジン)と感覚調節作用(メントール・カンフル)が協同的に作用し、こりの悪循環に対して多面的な対処が期待されます。さらに、龍脳(ボルネオール)は角質層の脂質二重層に作用して経皮吸収を促進し、配合された他の生薬成分の皮膚透過性を高める役割を担います(PMC, 2016)。薬剤師の立場から、デスクワークによる肩こりには、休憩時のストレッチと外用薬の塗布を組み合わせた日常的なケア習慣の構築をお勧めします。
どのようなデータが肩こりの深刻さを示しているのか
厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査では、女性の有訴者率が人口千人対304.2と男性の246.7を大きく上回り、肩こりは腰痛と並んで最も多い自覚症状です(厚生労働省, 2022)。デスクワーク従事者に限定すると、この数値はさらに高くなることが推測されます。
情報機器作業に関する厚生労働省の調査では、VDT作業に関連する身体的不調として「首、肩のこり・痛み」が74.8%、「目の疲れ・痛み」が90.8%と報告されています。テレワークの普及により作業環境が多様化する中、70%以上の企業がテレワーク時の作業環境を確認していないとする調査結果もあり、肩こりのリスクは在宅勤務者においても看過できない状況です(厚生労働省, 2021)。
デスクワーカーが実践できる外用ケアの選択肢とは
外用ケアの選択肢は大きく分けて、湿布タイプ、塗布タイプ(軟膏・クリーム)、スプレータイプの3種類があります。それぞれ使用シーンや持続時間が異なるため、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
湿布タイプは貼った部分に長時間成分が浸透し続ける利点がありますが、オフィスでは目立ちやすく、衣服への付着も気になります。塗布タイプの軟膏やクリームは必要な部位にピンポイントで塗布でき、衣服の上からは見えないため、デスクワーク中でも使いやすい特徴があります。
台湾の伝統的な漢方外用薬である維益安(ウェイイーアン)は、複数の生薬成分を配合した塗布タイプの軟膏です。薬機法に基づき、本製品は医薬品ではありません。日常的な外用ケアとしてご使用いただけます。
肩こりを予防するための日常習慣
厚生労働省のガイドラインでは、情報機器作業において1時間ごとに10〜15分の作業休止時間を設けることが推奨されています(厚生労働省, 2019)。この休憩時間を利用して、僧帽筋のストレッチや肩回し運動を行うことが肩こりの予防に有効です。
デスクの高さ(60〜72cm)と椅子の高さ(37〜43cm)を適正に調整することも重要です。画面は目線よりやや下に配置し、肘は90度に曲がる高さでキーボードを操作できるようにします。こうした環境調整に加えて、就業後に外用薬を使った肩周辺のケアを習慣化することで、翌日への疲労蓄積をやわらげる習慣として活用いただけます。
よくある質問
デスクワーカーの肩こりが慢性化する主な原因とはどのようなものですか
長時間の同一姿勢により僧帽筋が持続的に緊張し、筋肉内の血流が低下して疲労物質が蓄積することが主な原因です。前傾姿勢で頭部を支え続ける負荷が、慢性化の大きな要因となります。
肩こりに外用薬を使うタイミングはいつが適切ですか
就業後の入浴前後や、休憩中のストレッチ後が適しています。血行が促進されている状態で塗布することで、成分が肌になじみやすくなります。
湿布と塗り薬ではどちらがデスクワーカーに向いていますか
オフィス環境では塗り薬タイプが目立ちにくく実用的です。湿布は長時間の持続性がある一方、衣服への付着や匂いが気になる場合があります。
漢方外用薬と市販の消炎湿布の成分の違いとはどのようなものですか
市販の消炎湿布は主にジクロフェナクやインドメタシンなどの単一有効成分を使用します。漢方外用薬は複数の生薬由来成分を組み合わせて配合しているのが特徴です。
メントール成分が肩こりケアにどのように使われていますか
メントールはTRPM8受容体を活性化して冷涼感を生み出し、同時に皮膚の血流量を増加させることが研究で報告されています。この作用が外用ケアにおいて活用されています。
維益安とはどのような製品ですか
維益安(ウェイイーアン)は台湾の泰允薬品が製造する漢方外用軟膏で、複数の生薬成分を配合しています。薬機法に基づき、本製品は医薬品ではありません。日常的な外用ケアとしてご使用いただけます。
肩こり予防のためにデスク環境で気をつけるポイントとはどのようなものですか
デスクの高さは60〜72cm、椅子は37〜43cmに調整し、画面は目線よりやや下に配置します。1時間ごとに10〜15分の休憩を取り、肩回し運動を行うことが推奨されています。
肩こりが長期間続く場合はどのように対処すればよいですか
2週間以上改善が見られない場合や、腕のしびれ・強い頭痛を伴う場合は、整形外科を受診してください。頸椎椎間板ヘルニアなど別の疾患が隠れている可能性があります。
お問い合わせ:WhatsApp|LINE @typhd|電話 +886-37-867197
泰允薬品薬剤師監修|台湾製造
参考資料
出典:厚生労働省:令和4年国民生活基礎調査の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html
出典:厚生労働省:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン https://www.mhlw.go.jp/content/000539604.pdf
出典:厚生労働省:VDT作業における労働者の作業環境等に関する調査(2008年) https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0520-1.html
出典:厚生労働省:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf
出典:PMC:The distinctive role of menthol in pain and analgesia - Mechanisms, practices, and advances https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9580369/
出典:PMC:Camphor Activates and Strongly Desensitizes the Transient Receptor Potential Vanilloid Subtype 1 Channel https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6725586/
出典:PubMed:Berberine and musculoskeletal disorders - The therapeutic potential and underlying molecular mechanisms https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30902523/
出典:PubMed:Emodin suppresses LPS-induced inflammation in RAW264.7 cells through a PPARy-dependent pathway https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26910236/
出典:PMC:Menthol-induced activation of TRPM8 receptors increases cutaneous blood flow across the dermatome https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8791073/
出典:PMC:Borneol, a natural bicyclic monoterpene, enhances transdermal drug penetration https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4977993/